人事の転職は難しいってホント?

転職お役立ち記事

更新日:2022-09-21

専門職である「人事」に対して、転職が難しいというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?今回はなぜ人事職へ転職することが難しいと言われているのかという理由を解説し、これから人事職へ転職を考えている皆様にとって具体的にどのようなスキルが必要なのかということを紹介します。是非最後までご覧ください。

1、人事職への転職が難しい理由

人事職への転職が難しい理由の一つに「企業に対する理解」が必要になることが挙げられます。これはどういうことかというと、人事の仕事では「企業に適した人材や入社後に活躍が見込める人材をどのように採用するか」「一人ひとりの能力を引き出すためにどこへ配属するのが適切なのか」「すべての従業員が法律に則った労働環境のもとで就業できているか」などについて、あらゆる施策を通じて考え取りまとめていくことが重要になります。つまり、全ての業務において企業に対する深い理解が必須となっているため、他社で何年も勤続してきた方がいきなり別の会社の人事へ転職するということは難易度が高くなってしまうのです。また、企業に対する理解が必要になるため、人事職を自社の社員で補う企業が多く、そもそも募集をかけない企業も多く存在します。

そして人事は転職市場でも人気が高いのですが、前述の通り求人数が少ないため倍率が上がり、特に人事未経験の場合は応募できる求人数がさらに少なくなるため、より倍率は上がってしまいます。

2、未経験でも人事職に就くことができるのか

次に、ただでさえ難易度の高い人事職に未経験者が就くことができるのかということに対して解説していきます。結論から述べると、人事は未経験者でもできる仕事となっています。では、未経験の場合にどういった経験が活かせるのかということを3つご紹介します。
ⅰ)人材業界の経験
人材業界の経験者であれば、人事採用担当者の仕事内容や採用のポジションに対する理解があります。また人材業界でリクルーティングアドバイザー(RA)として、企業の経営者や役員、人事部門の責任者と商談し、企業の採用ニーズをヒアリングすることで、企業の求める人材を分析し採用を実現させるための解決策を提案するという経験は、洞察力、コミュニケーション能力や経営者の考えを理解するという人事として必要とされるスキルと共通している部分が多くあります。
ⅱ)営業職の経験
営業職は単に「売る」のではなく、クライアントの課題をヒアリングし、相手が抱える課題や疑問を解決するための提案を行います。そのため課題解決力や目標達成への意欲が必要とされ、これが人事の仕事内容において大切にされている部分と共通しているため評価されやすい傾向にあります。
ⅲ)システムエンジニア
企業が採用に一番困っているのがエンジニアの採用です。その原因にはそもそもエンジニア自体が日本国内で足りていないということに加え、エンジニアの仕事内容や技術がわかる人事がいないということが挙げられます。技術知識や開発現場における最低限の知識が必要となるエンジニアの採用業務においては、開発系の分野が弱い方にとっては難易度の高い仕事となっているため、エンジニア採用に力を入れている企業ではエンジニアの仕事に理解がある担当者を一人は欲しいと思っているのです。

このように、人事職が未経験であったとしてもこれまでの経験で積み上げてきたスキルや知識が人事の仕事と共通している場合が多くあります。「未経験だから人事職は諦めたほうがいいのだろうか」「やっぱり経験者しか挑戦できないのかな」と考えている皆さん、決してそんなことはないのです。

3、人事職へ転職するために必要なスキルとは

最後に、人事職へ転職するためにどのようなスキルが必要なのかということを紹介します。人事職への転職を成功させるために、人事に求められるスキルがしっかりと身についていることを採用担当者にアピールすることが大切になります。
◻コミュニケーション能力
人事において最も大切なスキルはコミュニケーション能力です。社内のメンバーだけでなく、採用の際には会社の顔となり多くの求職者と関わる必要があります。このように人事はさまざまな方と関係を築く必要があるため、コニュニケーション能力は必要不可欠なのです。
◻洞察力(人を見抜く力
人事の業務内容の一つに採用業務があります。人材採用では経営者の視点に立ち、企業が成長するために必要な人物を採用する必要があるため、人を見抜く力が求められます。大企業の場合一日に何十枚、何百枚もの求職情報に目を通し、書類上で相手がどういう人物なのかを見極めなければなりません。
◻柔軟性
労務管理や各種制度の制定においては、労働基準法などさまざまな法令に基づき、違反のないよう努めることが必須となります。しかし、その法令は時代や社会的背景に応じて頻繁に内容が変化するため、随時情報収集を行い法律に遵守した社内規定につくり変えていく必要があります。もし違法性が発覚した場合は会社の信用に響くだけでなく、事業の継続ができなくなる可能性もあります。そのため、随時変化に敏感であり、変化に適応するスキルが必要なのです。
◻戦略的思考
人事は経営層と近く、事業戦略に基づきながら採用や人材の能力開発を進めていく必要があります。そのため、常に会社が置かれている現状を客観的に分析し、どのような人物が最適なのか、どのような能力がより求められるのかということを先回りして考えることが大切になってくるのです。
◻秘密保持
人事は社内の人間関係、社内異動、社員の給料や勤怠の管理など漏らしては行けない情報を抱えることがおおい職種です。そして秘密を守ることで「信頼」が蓄積され、やがて組織拡大とつながっていくのです。

人事の転職は決して簡単ではないのかもしれませんが、人事で求められるスキルをアピールすることで「即戦力で働くことができる」と判断してもらいやすくなります。これまでの経験からなぜそのスキルが身につき、どのように活かすことができるのかということをしっかりと採用担当に伝えることが転職を成功させる鍵となります。